戦争法(安保法制)


1.法案

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■「戦争立法」(平和安全法制)の主な内容
 国際平和支援法(派兵恒久法)新規立法
   世界中で随時、「戦地」での他国軍支援

平和安全法制整備法(改定法10本を1括)
・自衛隊法の改定
  米軍等部隊の防護、邦人救出、国外犯処罰
・重要影響事態法(周辺事態法の改定)
  地理的制約を撤廃、「戦地」で他国軍支援
・船舶検査活動法の改定
  地理的制約を撤廃、活動目的の拡大
・PKO法の改定
  「非国連統括」型の任務追加、武器使用権限の拡大
・有事法制(事態対処法制)の改定 (関違法5本)
  集団的自衛権を主任務化、事階名を追加
・NSC(国家安全保障会議)設置法の改定
  対処事態の増加に伴う審議事項の追加

■その他、電話閣議で自衛隊に治安出動や海上警備行動を発令できる閣議決定


ひとことでいうと
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大きくいうと

①.周辺事態法の改定

 アメリカが世界のどこであれ、アフガニスタン戦争やイラク戦争のような戦争をおこしたときに、自衛隊が「戦闘地域」(現段階では弾は飛びかってはいないが、いつ戦闘になるかわからない地域=政府答弁)、弾薬の補給、武器の輸送などの軍事支援(政府は「後方支援」と言っている)ができるというものです。

②.PKO法の改定  「駆け付け警護」

 国連が統括していない活動にも自衛隊を参加させる。形式的には「停戦合意」がされていても、戦乱が続いている地域に自衛隊を派遣して、武器を使用した治安維持活動を可能になります。
 自衛隊が他国の「安全確保活動」をになうようになります。「安全確保活動」とは、テロやゲリラを想定した「治安維持活動」のことで、「警護」も外的による攻撃を想定し、それを実力で排除するものです。

■ これまでの自衛隊の海外派兵法では、武器の使用は「自己防護」(自分、自分の周辺にいる隊員などを守る)に限っていましたが、今後は任務遂行(敵対勢力の妨害排除)のために武器を使用できます。「停戦合意」を前提にしていますが、実際には紛争への対応が中身です。「治安維持活動」を外国の軍隊と一緒に行い、攻撃があれば武器の使用は必至で、ここでも「殺し、殺される」といいう状況となります。

■ 今までのPKO活動は道路や建物をつくるなどでしたが、巡回や警備などの活動が追加されました。
 銃を使って妨害勢力を威嚇するようなことが行われ、場合によっては攻撃を受けて反撃し戦闘になることもあります。

■ 国際連携平和安全活動など、国連安保理決議に基づいていますが、国連が主導していない活動にも参加できます。そのひとつがISAF(International Security Assistance Force 国際治安支援部隊)です。
 ISAFは2001年に国連安保理決議で設立されました。当所はNATO(北大西洋条約機構)軍が指揮を執っていましたが、アメリカ軍の「対テロ戦争」と一緒になってしまい、3500人の死者をだしています。
 そしてISAFの兵士は多数の民間人を殺してしまいました。政府の言う「後方支援」で参加したドイツ軍は、自殺者も含めて55人が死亡しています。
「殺し、殺される」「殺さなければ、殺される」「殺されるまえに、殺す」「一般市民は殺される」という状況

2016.11月から「駆けつけ警護」が任務に! → PKO 南スーダン共和国ミッション(UMNISS)


③.集団的自衛権の行使

 日本がどこの国からも攻撃を受けていないのに、集団的自衛権を行使して自衛隊が世界中でアメリカ軍の戦争に参加する危険な法律です。


集団的自衛権  定義

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日本が攻撃されていなくても、「わが国と密接な関係にある国」が攻撃されたら、その相手国に攻撃をしかけること。


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そうなった場合、当然相手国は日本を攻撃してきます。相手国と日本の戦争になります。


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「わが国と密接な関係にある国」の戦争は、本土が攻撃されているのか否かは問いません。とにかく、戦争状態であれば集団的自衛権が行使できます。



アフガニスタン戦争やイラク戦争のようなときに、もっと前線で活動できるようにする (殺し殺される)

戦争法案

集団的自衛権行使:過去での使われ方

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 国連憲章により、集団的自衛権を行使した場合、安保理へ報告しなければなりません。
多くは、共同防衛ではなく、大国による他国への攻撃を正当化するための口実として使われています。

ベトナム戦争(1964年)「トンキン湾事件」:

 1964年、アメリカの艦船が「公海上で攻撃された」と北ベトナムへの爆撃を開始(「トンキン湾事件」)日本も「攻撃があった」と同調。しかし、「実際には(攻撃)はなかった」(マクナマラ元アメリカ国務長官)



ベトナム戦争において韓国軍はアメリカの要請により、集団的自衛権を行使。1956年~1973年で述べ約31万人をベトナムに派兵。約5,000人の死者がでました。(2005 韓国国防部)

イラク戦争(2004年) 「大量破壊兵器」:
「イラクは大量破壊兵器を保有している」と、国連決議もないまま戦争へ。小泉首相(当時)は「破棄させるために武力行使はやむをえない」と支持を表明。
アメリカ・イギリス政府は、いまではこの情報の誤りを認めています。


イラク戦争調査報告書(要点)

2016年7月6日 発表された英国のイラク戦争調査報告書のおもな内容は以下の通りです。

 調査の目的は、①2003年3月のイラク侵攻は正しく、必要だったか②その後の事態へのよりよい準備は可能だったかだ。
 英国がイラク侵攻に参加した決定は、平和的選択肢を尽くす前に行われた。当時、軍事行動は最後の手段ではなかった。
 ブレア英首相(当時)は、イラクの大量破壊兵器の脅威が確実なものだと述べたが、正当化できないものだった。イラクのフセイン大統領は、侵攻時に切迫した危険ではなかった。
 イラク政策は、欠陥のある情報と評価に基づいて決定された。
2002年7月、同首相はプッシュ米大統領(当時)に、「どんなことがあってもあなたと共にある」と私的書簡で表明した。
 2003年3月、イラクに対する軍事行動を承認する国連安保理決議案への多数の支持が得られなかったとき、ブレア首相はフランスを非難したが、英国は実際には安保理の権威を傷つけていた。
 当報告は、軍事行動が合法だったかどうかの見解は示さない。しかし英国の軍事行動に法的根拠があったと決定された状況は、満足とは程遠い。
 侵攻後にイラクが不安定化し、アルカイダなどのテロがはびこる環境が生まれることを政府機関は明確に警告していたが、過小評価された。フセイン政権打倒後の計画は全く不十分だった。
 部隊派遣の準備に不十分さがあり、装備などの不足を招いた。
 200人以上の英国人がイラク戦争の結果死亡した。家族に深い苦しみをもたらした。
 侵攻とその後の混乱で、15万人あるいはもっと多くのイラク国民が死亡した。
 イラク国民は大きな苦しみを味わった。



集団的自衛権と「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、及び幸福追求の権利が根底から脅かされる明白な棄権がある場合」との関係

「密接な関係にある他国」はアメリカ合衆国のことです。もし、アメリカへの攻撃があっても、「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、及び幸福追求の権利が根底から脅かされる明白な危険がある場合」がない場合は関係ないのでしょうか?

2014.7.14 安倍首相、岸田外相の答弁では、そうはならないことを答弁しています。

ですから、「国民を守る」どころか「アメリカの起こす戦争に巻き込まれる」危険性が過去の経緯からして大きいのです。

安保法制(戦争法)の審議  歴代内閣法制局長官の国会での発言


元内閣法制局長官 阪田雅裕氏 2015年6/22 衆院安保法制特別委員会
「(集団的自衛権の行使は)すすんで戦争に参加するということであり、敵となる相手国にわが領土を攻撃する大儀明文を与える」ことになり、「国民を守るというよりは、進んで国民を危険にさらすという結果しかもたらさない」


元内閣法制局長官 大森政輔氏 2015/9/8 参院安保法制特別委員会
日本が集団的自衛権を行使し、「第3国に武力攻撃の矛先を向けると… (第3国は)わが国に対し攻撃の矛先を向けてくることは必定であり、集団的自衛権の抑止力以上に紛争に巻き込まれる危険を覚悟しなければならなず、バラ色の局面到来は到底期待できない」



まとめて言うと
戦争法は
 日本を守ることとは全く関係なく、米軍や他国軍を支援するための法律です。
日本が攻撃されていなくても、米軍などと一緒に戦うための法律です。
そして、最も危険な「兵たん活動(武器・弾薬・兵器などの輸送)をさせられる法律です。

11法案


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戦争法は、国民の命を守らない、国民の命を危機にさらす
 日本が攻撃されていないのに、集団的自衛権を行使して他国の戦争に参加すると、その敵国に日本を攻撃する大儀明文を与えてしまい、かえって危険な状態を生み出してしまします。
 「戦争法」は国民の命を守るものではなく、国民の命をすすんで戦争の危機にさらす法律です。


「駆けつけ警護」は自衛隊員のリスクを高める
 政府は、さっそく南スーダンのPKO「駆けつけ警護」を実施しようとしています。戦闘現場に派遣して武器使用を認めると、自衛隊員の殺し殺されるリスクは格段に高まります。
 これまで60年間、他国の市民に銃口を向けたことの無かった自衛隊が、テロリストと間違えて民間人を誤射してしまうおそれがあります。

自衛隊
加害者・被害者

2.国会・国民には事後承認? なぜ急ぐ?

日本の国会で審議するまえにアメリカ議会で成立を約束

安倍首相の米議会演説 (抜粋)
2015年4月29日午前(日本時間30日未明)、ワシントンの米議会上下両院合同会議

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 「日本はいま、安保法制の充実に取り組んでいます。実現のあかつき、日本は、危機の程度に応じ、切れ目のない対応が、はるかによくできるようになります。この法整備によって、自衛隊と米軍の協力関係は強化され、日米同盟は、より一層堅固になります。それは地域の平和のため、確かな抑止力をもたらすでしょう。
 戦後、初めての大改革です。この夏までに、成就させます。ここで皆様にご報告したいことがあります。一昨日、ケリー国務長官、カーター国防長官は、私たちの岸田外相、中谷防衛相と会って、協議をしました。いま申し上げた法整備を前提として、日米がそのもてる力をよく合わせられるようにする仕組みができました。一層確実な平和を築くのに必要な枠組みです。
 それこそが、日米防衛協力の新しいガイドラインにほかなりません。昨日、オバマ大統領と私は、その意義について、互いに認め合いました。皆様、私たちは、真に歴史的な文書に、合意をしたのです。」

3.「軍部」の暴走

 「文民統制」とは、シビリアン・コントロールのことです。選挙で選ばれた国民の代表=総理大臣が、軍隊・自衛隊を統率する力を持つという政治の制度です。軍人が軍を統率すると戦争をしやすくなるので、それを避けるための制度です。 が・・・

★自衛隊上級幹部の最高教育機関の統合幕僚学校が憲法9条の制約から政府が従来認めてこなかった集団的自衛権や武器輸出について、解禁するよう提言する報告書を、自衛隊トップの統合幕僚長に提出していた。
 報告書名は「諸外国の最新の軍事戦略の動向に関する調査・研究」(2012.3)
報告書には、米国の戦略を補完するようになるためには、集団的自衛権を認めることが必要不可欠。『国家緊急事態法』を整備し、祐司において防衛省が他省庁等を活用して任務を遂行できる態勢を整えることが望まれる。など、憲法解釈に踏み込んでいるもの。
 2016.4.19の国会での質問にたいして、若林防衛副大臣は「当時の大臣・副大臣・政務官が直接関わっているということではない」と弁明。 政治家の知らないところで進められていたことになる。

統幕学校報告書のおもな提言
■集団的自衛権の行使容認
■武器輸出禁止方針の見直し
■「国家緊急事態法」整備による他省庁・自治体の戦争動員
■原子力潜水艦の建造
■PKO参加によるアメリカ軍戦力の節用
■公教育における安全保障観の周知徹底

★自衛隊トップの河野克俊統合幕僚長が2014年12月の総選挙後、アメリカ軍にたいして戦争法案(安保法案)の成立時期を「来年夏までに」と伝えていた。

2014年12月17日 米 オディエルノ陸軍参謀長との会話 

オディエルノ陸軍参謀長: 現在、ガイドラインや安保法制について取り組んでいると思うが予定通り進んでいるのか? 何か問題はあるのか?

河野克俊統合幕僚長: 与党の勝利により来年夏までには終了するものと考えている。

4.国会無視

8月22日

法案の閣議決定以前、2015年5月15日に中谷防衛大臣の指示をうけ、自衛隊の統合幕僚監部が「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)及び平和安全法関連法案について」と題する文章を作成していた。
 戦争法案(安保法案)の8月成立・来年2月の「施行」を前提に、12月には陸上自衛隊中部方面隊から南スーダンPKO(国連平和維持活動)に部隊を派遣し、来年3月からは「駆けつけ警護」など「新法制に基づく運用」を始めるなどとした、詳細な日程表まで記録されていました。


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